硲 俊之(ハザマ トシユキ)

2021/9/14


社員を育てる経営者の視点

経営者の興味関心の高いテーマが社員のやる気の出し方です。「もっと頑張って欲しい」「もっと積極的になってほしい」「もっと意見を言ってほしい」など、自分から主体的にアイデアや提案を言ってくれる、積極的で意欲のある社員になってほしいと期待しています。残念ながら多くの会社では、やる気を出させる社員の育て方の方法がわからないので、結局、給料などの処遇を見直す評価制度を導入するか、気合や根性、努力論になってしまいがちです。

やる気をアップさせるのが上手くいっている会社では様々な取り組みをされています。IT系の業界の事例では、創業した経営者の年齢が30歳代と若く、その年齢に近い社員の方が集まっているので、ほとんどジェネレーションギャップが無く、お互いに話しやすくなるため情報共有やアイデア交換などの社内のコミュニケーションもスムーズで活気があります。固定概念委にとらわれず、新しいアイデアを出しつづけているので、コロナでも絶好調の業績です。また別の事例では、経営者が高齢になってきたため、会社を事業部制の組織に変更して、40歳代の中堅社員を事業部の責任者に登用することで組織の若返りを図り、コミュニケーションに活気が出るようになった会社もあります。また、ある会社では提案制度を導入していて新規事業の立ち上げを若手にさせています。若手だけでは失敗することもあるのでベテラン社員を相談係に配置しながら、上手くコミュニケーションをとっている会社があります。共通点は「人をなんとかするより、やる気が出来る仕組みを作る」ことで活気が出てくるようにしています。

今回は、今の社員に対して、なんとか意識改革をしようと働きかけるより、会社の組織の仕組みを見直すアイデアを紹介します。

やる気の出させ方は時代によって変化してきています。最近では、正社員だけでなく、契約社員やパート社員、嘱託社員、派遣社員など、様々な雇用形態になってきていますので、働く人たちの意識も多様化しています。例えば昭和の時代は、日本の高度経済成長を背景に給料のアップや役職の昇格によってやる気を出させることが出来ましました。しかし、バブル崩壊後の不景気に伴い採用氷河期という買い手市場になりました。会社も若手を育てる余裕が無いので即戦力を求め、結果を出して頑張る人を重点的に報いる成果主義の評価制度に変化して、実力のあるベテランを中心とした組織が多くなりました。しかし、東日本大震災のあとくらいから少子高齢化の問題が具体化してきて人手不足になり、売り手市場に逆転しました。会社も若手が来てくれるように福利厚生を良くしたり、採用方法を変えてみたり、せっかく採用した若手に辞められないように育成方法も変わってきました。このように人の問題は景気や環境などの時流に影響されやすいので、時流適応した適切な対応が求められます。

今の若い人たちは「お金」より「働きやすい職場環境」を求める傾向が強く「自分のスキルが生かせる」「自分が成長できる」会社を選ぶ傾向が強くなってきました。そのためやる気の出させ方も「この仕事をマスターすれば、これが出来るようになるよ」「これを頑張れば、こういう仕事も任せられるのでスキルが高まる」など、未経験の方でも育つ育成プログラムを作って、しっかり成長を応援する「フォロワーシップ型」の育成方法がやる気につながります。反対に「わからないことは質問しろ」「言われたことは最後までやれ」など、上から目線の接し方では威圧感を感じて嫌がる傾向にあります。最悪な場合は、パワハラ被害者になって萎縮してやる気が低下したり、辞めてしまうことにもなるので要注意です。

私が主催している研修でも、一番多い悩みが「今どきの若手と、どのようにコミュニケーションをとればよいのか?」という相談です。部下との人間関係に悩んでいる幹部の方が増えています。残念ながら、育成方法が変化したことに気づいていない幹部の方も多く、その結果、部下を辞めさせているようです。このように、過去に自分が経験したことを部下や後輩に教えることは、賞味期限が切れた状態になっているので今の若い人はやる気が出ません。

やる気にさせるには「フォロワーシップ型」のスタイルに変えることがベストです。例えば、上手くいかなかった結果に対して「なぜ」「どうして」など、原因を分析して問題点を聞き出そうとすればするほど、圧迫感を感じ、萎縮して何も言わなくなります。上司とすれば、問題点を見つけることで対策を考えようとするのですが、若手にとっては自分が攻められているように感じるので心を閉じてしまいます。

このようなことにならないためにも、「フォロワーシップ型」の対応方法として「どうすれば上手くいったと思う?」と、まず相手の考えを聞き出す話し方をするように心がけていくことが大切です。「聞く」と「聞き出す」は同じではありません。「聞く」と言っても部下の受け止め方が、威圧的で怖くて、怒られたらどうしようと不安な状態では本音を話してくれません。「聞き出す」とは、まず、聞く前に部下との関係を良くするためのアクションからスタートして、本音を話しやすい状態を作ります。「最近の調子はどう?」など、気軽に話せるテーマからスタートして、部下が話したくなる状態になるまで待ちます。なかなか本題に入れないのでイライラする人もいますが、今の時代のやり方に合わせていかないと部下も動いてくれません。

今まで、部下との接し方について、第三者から指摘されることはほとんどありませんでした。そのため自己流になりやすく、いつのまにか陰湿ないじめやパワハラになっていることが多いです。部下との接し方については、自分では威圧的に話しているつもりが無いと思っている方がほとんどなので、一度、第三者に部下との話し方を見てもらって自己点検した方がコミュニケーションも上手くいくようになります。私の講座でも、自己流に気づいてもらって、部下と上手くコミュニケーションがいくようになったという方の声が多いので、ぜひ、この機会に部下との接し方を客観的に見直してみることをお勧めします。

 

数字の見方

2021/7/20


社員を育てる経営者の視点

経営者から「販売や営業などの現場はよく頑張っているが、どうも経理や総務がいま一つ」という声が多いです。やはり間接部門は費用対効果が見えにくく、賞与時など評価もしづらいので、毎年、同じような評価結果になりやすいです。私の「数字の見方」という講座では、経理や総務のレベルアップを目指して、活躍できる「武器」を与えることで費用対効果を高める工夫をしています。

例えば、経営者が求めていることの一つに「現場からの積極的な提案」が欲しいことがあります。会社を経営していると目の前の売上、資金繰り、顧客対応、人の採用など、考えることが非常に多くあります。しかし、現場からの意見や気づいたことなども気になります。ある会社の例では「毎週、経理や総務の全員が1つ以上の提案をする」ということで、責任者が全員の提案を取りまとめ、経営者に提出するようにしています。現場での細かいことは経営者も気づかないことがありますので、そこで出た提案を参考に業務改善を行っています。

最近では「会議時間の短縮」という提案があり、その会社では、今まで毎週1回、2時間の会議が当たり前と考えていましたが、提案でこれからは1時間30分で出来ように「事前に資料を準備し、自分の意見や質問を会議の1日前までに集めておく」「話が横道にそれないようにファシリテーターを入れる」「一人の発表を2分以内までとする」など、会議改革をすることで短縮することができました。その結果、会議時間が短くなることによって短縮できた時間を、部下面談や意見交換、または営業時間を確保しやすくなったり、自分の意見をまとめるために考える習慣が身についたり、さまざまな効果もありました。このように、当たり前と思っていることを改善していくことで、まだまだ社内の無駄ムラを見直すところがあることに気づけます。

また、経理や総務を経営者の参謀役として育てるために私の講座に参加される方が多いです。「伸びる会社のやっていることを素直に真似しよう」というテーマでは「直接部門はお客様」というお客様思考の考え方を伝えています。経営者が求めている資料(ニーズ)に合った仕事をすると同時に、直接部門である現場の営業や店舗、または工場で必要な資料(ニーズ)を事前に準備して役立ててもらう役割です。そのために必要な資料は何なのかを各部署で事前にヒアリングして、資料のアウトプットイメージを共有して作成します。単に、毎月10日ごろに前月の試算表資料を渡されるより、遅くても5日までに資料を作成して、前月の問題点をまとめた損益計算書分析資料をもらえた方が現場は助かります。このように、同じ仕事を繰り返しているのではなく、常に仕事内容を見直して、お客様思考をしてサービスを提供するのが間接部門の役割だと認識した会社の方が伸びています。

また、経営計画を作るにあたって「過去会計」で作っている場合が多いのですが、「ワクワク未来会計」で作ることで、その後の成果が変わっていく場合が多いです。経営理念や経営方針、経営計画など、「経営」という言葉を使う場合、よく言われるのが「経営者が、お経のように同じ言葉を言い続けることで考えや想いが浸透するので一体化できる」ということです。経営者の想いを繰り返し言い続けることで社員も同じ温度感になり、意識も高くなるために目標が達成することがしやすくなります。「ワクワクする未来」だと、「一緒に頑張ろう」「この上司についていこう」という気持ちも高まるので温度感も維持しやすくなりますが、反対に過去の延長線上で、社員にメリットの感じられないと、ついてくる人が少なくなり温度差が出てきます。会社が上手くいくかどうかは、そこで働く人が能力を最大限に発揮して、目標に向けて頑張ることです。そのためには、ワクワクする未来が必要です。だから、私は経理や総務が音頭をとって、ワクワク会計に変えましょうという話をします。

経理や総務が、ワクワク会計の推進者となってモチベーションアップにつながる役割をすることで、会社の伸び方が変わってくるのです。なぜなら半人前の人にとって、直接の上司からのフォローだけでなく、間接部門の経理や総務からのフォローもあった方が、成長も早くなるからです。例えば「整理整頓の必要性」など、当たり前のことが当たり前に出来るようになれば、与えられた目標なども達成するのが当たり前だということで頑張ります。この習慣こそ、その人の仕事のスタンスとなり、仕事をやり切ることが当たり前に考え、行動するために、結果も出やすくなるので一生の財産となります。このような「良い習慣」を間接部門である経理や総務がフォローすることで、会社も成長します。

よく経理や総務の意識を変えるのは難しいと聞きます。現状維持バイアスがかかるために、今までの仕事と同じことをしたがります。そのほうがミスもなく、また失敗もしないので安全です。しかし、変化に弱い組織になると、いざというとき抵抗勢力となって経営のリスクになってしまうこともあります。よくあるケースが、経営者が「こうした方がいいのでは」と言っても現場からは「この仕事はどうするのですか」「ここが無理です」「今でも忙しいのに」など、「欠点探し名人」になって、反発、反抗、反対するのです。これは心理学的に「刺激反応モデル」と言って、本人もあまり考えず、言われたことに対して現状を維持するために言っている場合が多いです。また欠点を探すのが習慣で無意識に欠点指摘発言をしている場合もあります。しかし、経営者から見ると「なんでやらないのだろう」「もっと素直になればいいのに」と頭を抱え込むことがほとんどです。現状維持バイアスを無くすために、経営方針を「素直、プラス発想、元気」としてみたり、頭を柔らかくするために「素直さクレド」を作って、とにかく素直な社員になるように教育している会社があります。面白いもので、最初は素直にやりませんが、半数の方が素直に変わりだすと、危機感が高まるのでやるように努力しだします。もちろん出来ない人もいますが、そういった人は会社の方針に合わないので辞めていきます。このように「素直な社風」になれば、変化に強い会社になれますので、まず経理や総務から頭を柔らかくすることをスタートすることがおススメです。

 

今のうちに鍛える

2021/5/24


社員を育てる経営者の視点

経営者の興味関心が高いのは「もっと儲かる方法はないか」「もっと資金繰りが楽になる方法はないか」ということがほとんどです。誰だってお金を借りたいと思っていません。借りれば一時的には楽になりますが返済が大変なので、なんとか現状で会社が回るようにしたい方のほうが多いです。経営者の頭が痛いのが、経理が「今月はお金が足りません」という声です。経営者の本音は「それをなんとかするのが仕事だろ」「なぜ、もっと早く手を打てないのか」ということを言いたいのですが、そういうことを期待しても無理なので、経営者が自分で何とかするしかありません。銀行の提出資料など急いで作って銀行交渉するのですが、そのための時間を確保するのも大変です。それよりも、もっと早い目に相談してくれれば慌てなくて済みます。このように、経理が先手を打って経営者に必要な資料を渡す仕組みがあればイライラしなくて済みます。

お金が足らなくなる原因のほとんどが、思ったような売上が確保できなかった場合です。経営者が「もっと気合を入れて頑張れ」と社員に言っても、そう簡単には動いてくれません。経営者は孤独だと言われますが、それは身近に自分の想いをわかってもらえる相談相手がいないからです。気の利いた経理は、経営者に役立つ資料を作成し、経営者の参謀パートナーとして活躍しています。例えば、売上は客数と客単価に比例しますが、客単価をアップするために、ニーズの掘り起こしを行い、追加提案して売上を確保することが出来ます。現場の担当者に任せると目の前の業務が忙しくて、やっていたりやっていなかったりするので、そのため経理が定期的にお客様ヒアリングを行い、データを整理し、ニーズの掘り起こしをしています。また売上構造の見直しとして「目の前客」「未来客」「過去客」と分けて、過去客フォローの仕組みを作ったり、未来客を増やしていくために、企画アイデアを提案したり、このように経理が経営参謀のような役割をしている会社があります。

経理や総務を、単なる事務処理のために雇っている会社が多いですが、経理や総務を鍛えることで、もっと活躍することが出来ます。私が開催している「数字の見方」のセミナーでは、経理や総務の方が参加して勉強をしてもらっていますが、皆さんの感想で多いのが「武器を持つ」ことの大切さです。今まで毎月の事務処理だけで満足して、井の中の蛙になっていたことに気づいてもらえます。また、経営者から、現場から、こういうことを求められているといことに気づけば、一緒に頑張ることが出来きます。このように「気合論ではなく情報やスキルという武器」を与えることで活躍できるようになります。

具体的には、現場の管理職にとって、負担になるのが部下育成です。育てないと上司から怒られるし、でも自分の業務も忙しい。これくらいは出来て当たり前レベルのことが出来ないのでイライラします。プレイングマネージャーの宿命で、自分の予算目標を頑張りながら部下の育成まで面倒をみるのですが、それでは時間が足らなくて部下をほったらかしにすることが多いです。そもそも、昭和の時代は、仕事のIT化が進んでいないし、ホームページもなかったので、販売も地域密着で人脈が決め手でした。また仕事もルーチンワーク化していて、同じ仕事の繰り返しで変化は少ないです。平成から令和となると、まず販売方法もネットやSNSなど多様化し、仕事スタイルも変化していきますので、スピードの速さについていくだけで大変です。そこに部下育成が入ってくると、やはり負荷がかかります。そこで、ある会社は、仕事の基礎である「あいさつ」「報告連絡相談」「整理整頓」「期限を守る」「気配り」など、社会人として当たり前に出来なければならないことを経理や総務が事前に教えて、ハーフメイドの状態に育成してから現場に配属させます。そうすると現場では教えることも少なくてすむので、育成期間が短縮できて負荷が軽減されます。「早期育成化の仕組み」を作ることで、採用した人を早く黒字化できるので、結果として人件費の圧縮が出来ます。このように会社の利益をアップさせていくのは、経理や総務も貢献できますので、これを「間接費の直接費化」と言います。なるべく間接費を減らしていくことで、会社を利益体質に変えることが出来るようになります。

また、ある事例では、経営者の参謀として、経営者の気持ちを代弁する役割をしている会社があります。経営計画があっても、順調に進まない場合がありますが、よくある原因が「目標の行動量が足りていない」ことです。言われた事をやっていなかったり、勝手に自分のやり方に変更したりしているため、計画通りにいかなくなるのです。このことを私は「プロセスは必ずズレていく」と話しています。組織は「温度差」によってズレていきますので、本人に悪気がなくても気づかないうちにズレたりします。それを修正するのが参謀役の経理や総務です。何度も注意して口うるさく言い続けることでズレを修正していきます。経営者が口すっぱく言い続けると嫌われてしまいます。その嫌われ役を経理や総務が代行し、温度差を無くし、方向を修正していくのです。また経営者にとって、自分では言いにくいことやフォローしてほしいことがあります。それを上手く阿吽の呼吸で連携していくことで、会社も一体化が出来るようになります。このように、しっかり経理や総務を鍛えることで、経営者の参謀として活躍することが出来ます。

単なる事務処理では間接費としてのコストですが、経営者のパートナーとしての役割をしていくことで相対的に間接費を減らすことが出来ます。「そんな気の利いた経理や総務はいないよ」「そういう人はうちの会社に来ないよ」という前に、現場の人には研修などにお金をかけることが多いですが、間接部門は残念ながら教育に投資することが少ないです。しかし、これからは、間接部門の活性化をすることで、利益体質の会社に変えていくことが出来ますので、ぜひ、この機会に役割を見直してみませんか。

 

数字の見方

2021/3/30


社員を育てる経営者の視点

私は「経理が変われば会社が変わる」というテーマでセミナーを開催していますが、参加者の声を聴くと「まだまだ改善することがある」「もっとレベルアップをしたい」「こういうことをやってもらいたい」など、非常に社内改革に興味を持たれる経営者の方が多いです。

例えば、経営計画を作っても、なかなか思うような結果にならない場合があります。外部環境の変化もありますが、内部環境の問題もあります。例えば、経理や総務の方が「単に毎月の試算表だけを経営者に翌月10日ごろに渡す」または「試算表を翌月5日以内に作成し、内部環境の問題点をまとめて整理したメモも一緒に渡す」のかによって変わってきます。経理は「経営管理」ではなく「経営理念パートナー」として、内部環境については、しっかりと把握して、経営者をサポートする役割、つまり経営参謀としての役割をすることで、単なる間接費コストではなく、利益コントロールタワーとしての含み資産化します。

経費節減と言いながら、一番のコストが人件費です。中でも間接費の人件費です。間接費コストは年々上がってくるのですが、その分の成果が比例して上がっている会社は少ないです。どちらかと言えば、去年と同じような仕事をしている会社のほうが多いのが現状です。

例えば、今月は50万しか利益が出なかったが、内部環境に手を打つことで3ヶ月後には90万まで確保できる可能性があるとわかれば、経営者も現場の営業マンに、具体的な指示をしやすくなります。なぜなら、営業は外部環境に影響を受けやすく、相手次第で運不運にも左右されやすいですが、内部環境は本気で取り組めば、自分たちの努力で解決することが出来ることが多いです。このように外部環境だけでなく、内部環境にも目を配らせることで会社が成長しやすくなるのです。しっかりと経理や総務を鍛えることで利益コントロールタワーとして活躍できるので会社も成長します。

頭が痛いのが、自分たちの仕事が減るような提案を会社にしませんので、あいかわらず同じ業務をやっている会社が多いのです。これから先を考えると、利益を確保するには、そろそろ間接部門にメスを入れる必要が出てきます。経理や総務は「単なる事務処理」のために必要コストなのか、「利益コントロールタワー」の役割なのかによって変わってきます。

ある会社の事例では、毎月の営業会議の司会進行を経理や総務が行い、内部環境の数値改善を話し合っています。内部環境は自分たちの行動を変えるだけで結果が出やすいので、いかに本気で取り組むか(行動するか)だけです。営業だけだと見込み客数や見込み売上などの話になりやすいですが、経理や総務が司会進行すると、期限順守率や未収の回収、ミスゼロなど、行動管理の面について改善・改良・改革する話ができるため効果がすぐに表れやすいです。とくに日報を活用して、営業マンの行動のムダ取りをすることで、時間の有効活用が出来るようになり営業効率もアップします。

そもそも経理や総務のプロを採用したわけではありません。しかし、他に誰もいないので、その人が責任者となることが多いです。経営者とって気になるのが、「うちの経理や総務は、仕事が本当に出来るのか」「給料に見合った仕事をしているのか」ということです。営業の場合は、数字で比較が出来たり、同業他社の情報も入ってきやすいため、給料に見合った仕事をしているかどうかについては、ある程度のことは把握できます。しかし、経理や総務については、なかなか同業他社から聞く機会もなく、比較する基準が不明瞭なのが現状です。そのため、本当にこれでいいのかどうかが判断できないまま現状維持でいる会社がほとんどです。

事例として、税理士事務所や社会保険労務士事務所を上手く活用して、パートの事務員2名だけでまわしている社員数80名の会社があります。この会社では、利益を社員の給与に最大の還元をするため「精算処理は、自分でパソコンに入力」「営業担当者が支払先の請求書チェックと入金管理」「タイムカードはIT化による自動計算をして残業代は翌月支払い」「備品購入は自分で発注」など、出来る限り自分たちで処理することで、事務員の負担を減らしています。「事務備品は見積もりを取って安いところから」などの意見がありますが、そのために人を置いた場合、その人がやり取りする時間や請求処理をする時間にかかる人件費を考えれば、少し高くても自分たちで処理した方が安くつきます。わざわざ業務を分業化するより、自分たちのことは自分で処理することで間接人件費を抑え、その結果、自分たちの給料に還元された方が社員にとってはメリットがあるからです。

「うちの会社の経理や総務は、現場の営業マンには遠慮して言わない」というのでは、非常にもったいないです。遠慮は自分都合ですから、しっかりと経営者のパートナーとしての役割をしてもらいましょう。そのためにも、経理や総務の意識改革が必要です。「自分たちは言われたことだけをしていればよい」「ミスしないように、怒られないように新しいことにはチャレンジしない」「よく現場のことは知らないので」など、消極的な考えをこの機会に見直してもらい、自分から積極的に提案が出来る利益コントロールタワーとしての役割に変えましょう。そのためのキッカケとして「数字の見方&考え方」という講座を開催していますので刺激を与えるのにススメです。きっと何かヒントがつかめますので、ぜひ、ご参加ください。

 

リーダーシップ集中研修

2021/02/02


社員を育てる経営者の視点

経営者にとって、やはり身近に相談相手がいた方が何かと上手くいきます。話すことで自分の頭の中が整理出来たり、自分とは違う角度からの意見を聞くことで新しいヒントを得たり、または愚痴を言うことによって、悩みを自分ひとりで抱え込まず、毎日リセットすることで頑張る力が維持することが出来ます。やはり経営者のモチベーションが経営状態にも影響しますので、体の健康状態や心のストレスなど、いつも元気な状態でいることが、これからの経営の決め手になります。

売上規模が10億にでもなれば社内でも相談相手が見つかりやすくなります。しかし、10億未満の場合は、なかなか社内に話せる相手が見つかりにくく、経理や総務の人が相談相手になることが多いです。経理や総務の方は社内にいることが多く、また会社の数字などを扱っているため内部事情にも精通しており、社長にとっては話しやすくなります。しかし、会社によっては「うちの経理は忙しそうにしているが、何をしているかわからない」「今さら、こんなことは聞けない」「そもそも何ができるのかわからない」など、上手く活用できていない経営者の方もいます。

今回は、経理や総務の活用についてお話します。

まず、経理や総務を間接部門としての役割だけしか、させていない会社がほとんどです。今の時代ならIT化やアウトソーシングをすることで事務処理の軽減も出来るはずです。ある会社の事例では経理や総務の人員が4人だったのですが、助成金を活用してIT化投資をすることにより、実質3人程度で仕事を回すことが出来るようになりました。そのため人件費も年間400万ほど削減出来て営業利益もアップしました。このようにIT化や仕事内容の見直しをすることで、埋蔵金ならぬ人件費削減の効果が得られます。また別の会社では経理や総務は全員が派遣社員です。派遣を使うと高くつくと思われていますが、プロの方々なので仕事も早く処理することが出来て、費用対効果を考えると非常にメリットがあります。また、派遣には賞与の支払いが無いので、賞与資金の確保が不要なため、賞与時の一時的な支払い増による資金繰りの圧迫を防ぐことが出来ます。

経営者が求めているのは、自分と「同じレベルで」「同じマインドで」「同じ方向を目指して」話せる話し相手です。その中でも「同じレベル」は、少し勉強することで、経営者の想いに対処することが可能になります。例えば「損益計算書や試算表を渡されても知りたいことがわからない」など、経営者が求めている資料が作れていない場合が多々あります。通信費などの勘定科目も、本当は「新規獲得のための通信費はどれくらいかかったのか?」「携帯電話代はどれくらい使っているのか?」など、もっと詳しく知りたい場合があります。経営者 と同じレベルで話すには、経営者が求めていることを事前に知ることで、対応することが出来ます。「毎月の損益計算書は翌月5日以内に欲しい」「人件費の内訳を知りたい(給料と残業代)」「車両交通費は、もっと安くならないのか」など知ることで、そのリクエストに応えられる対応が出来ます。経理や総務の方々は、「もっと役に立ちたい」「もっと認めてもらいたい」「もっと給料をアップして欲しい」など、いろいろな意見があります。しかし、その前に、経営者の求めている情報を入手することで、しっかり貢献することが出来ます。

経営者の疑問の1つが「なぜ、いつも経理は遅くまで仕事をしているのか」ということです。経理の方にとって、1円でも合わなければ、合うまできちんとするのが仕事と考えていますし、営業のように目に見える利益貢献が出来ないので、その代わりとして労働時間の長さを追求するようになる傾向が多いです。頭が痛いのは、役職者ほど、その傾向が強く、その長時間労働に付き合わされている部下にとっては非常に迷惑な話です。だから、朝から集中して頑張るより、「どうせ遅くまで会社にいるから」という気持ちで取り組むので、業務改善のための意見は出にくくなります。しかも、変化を嫌いますから、税理士事務所から提案があっても「検討します」と、悪気はないのですが自分で勝手に保留にしたり、セミナーDMなどが送られてきても、面倒なので捨ててしまうことが多いです。

経営者も、経理や総務に対して、具体的に何が出来るのかがわからなため、いつも同じような指示を繰り返しています。ある会社の事例では、経理や総務などの間接部門を利益部門に変えるために「基礎教育」を担当させて上手くいっているケースがあります。現場の方にとって、新人が配属されると、自分の目の前の仕事以外に、部下育成の時間が必要になります。これが案外、ネックになっており、上司によっては「指示しっぱなしの上司」「放置放任の上司」「仕事は盗めという上司」など、このような現場では採用しても仕事を覚えるのが遅くなり、早く稼げるようにならないので定着率が悪くなる原因となっています。そのため、仕事の基礎教育として「指示の受け方」「報告連絡相談」「整理整頓」「作業効率の改善」「仕事の進め方」など、先に学んでおけば助かる基礎の部分を経理や総務が事前に研修を行いハーフメイドの状態に仕上げてから現場に配属させることで、現場の担当者にとっても教育の負荷も減り、また仕事の基礎が出来ているため覚えるのが早くなり、その結果、定着率もアップしました。このように、現場の仕事の一部を支援することで間接部門も利益部門に変えていくことが出来ます。

これからは、社員を早期育成して、早期業績アップすることが求められますので、ぜひ、この機会に経理や総務の役割を見直してみてはいかがでしょうか?

 

リーダーシップ集中研修
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