2009/11/17


「成果目標」と「行動(プロセス)目標」

企業の人事評価や教育の中で「目標設定」「目標管理」という言葉が
交わされている。
実際の目標管理研修の場面で、個別目標設定をしたものを見ると、
いろいろな「目標設定」がなされている。

1つ目が「成果」を目標としているパターンである。
例えば「売上○円 利益○円達成」といった数値化され
客観的に検証可能なものに限らず、仮に「お客様の満足度上げる」
「社員のモチベーションを高める」のように数値として
検証し難い目標であっても、「実現させたいこと」が目標になっていれば
「成果目標」であるといえる。

もう一方で、「行動」を目標としているパターンである。
その中には「新規営業訪問○件。」、
「毎朝10分出社して店舗清掃する」等のように検証可能な目標であっても、
「部下とのコミュニケーション機会を増やす」などの客観的な検証が
できないものであっても、「やりたいこと」が目標になっていれば
「行動目標」であるといえる。

もちろん「成果目標」と「行動目標」のどちらが
良い目標設定であるかではなく、両方をあってはじめて
「目標管理」としての意味を成すものである。

そんな何を当たり前のことを・・・と思う読者の方もいらっしゃると思うが、
「目標」の検証可能か否かが、意外にも多くの企業や組織において
「目標管理の良否の基準」になっているのが現実である。

その原因は「目標管理」をすることが目的になってしまっていることにある。
であるから、検証できるか否かが最重要になってしまうのである。
もちろん検証可能な具体性を持っているにこしたことはないが、
目標管理とは、そもそも目的ではなく手段である。

「実現させたいもの何のか?」とゴールを決めて
「その実現のためにやること?」の決める手法に過ぎないことを
忘れてはいけない。


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2009/09/22


夢(=人生の目標)とは?

突然ですが、皆様に質問です

1.自分の長所を3つ書いてください。
2.自分の長所を周囲にわかってもらうための
  具体的行動(顕在的現象)を書いてください
3.自分の夢(人生の目標)を書いてください

この3つの質問は、様々な研修の中で受講者への質問です。
ありふれた簡単な質問でありながら、
この質問の答えから多くのことを考えさせられます。

この質問の答えに、明確に答えられる人がたくさん集まっている会社は、
組織に活力があり業績も好調なようです。

逆に、窮する人がたくさん集まっている会社は、組織の活力をなくし、
業績も伸び悩んでいるようです。

1つ目の質問「自分の長所」が自己認識していなければ、
当然2つ目の質問に答えることはできないのはもちろんのこと、
3つ目の質問にも大きな関係性があるようです。

夢(=目標)とは、「自信(=自分の長所認識)」と
「自分への期待(伸びシロ)」を、頭の中の「掛け算」して
できているように思います。

中高生の時代を思い起こせばなんとなくわかると思いますが、
歌が上手であれば「ミュージシャン」を夢見て・・・ 
野球が上手ければ「プロ野球選手」を夢見て・・・ 
勉強に自信があれば「弁護士」や「医者」に目標に・・・と、
長所(もしかしたら勘違いかもしれない思い込み)の上に、
夢(=目標)は存在しています。

間違っても自分の苦手分野のうえに夢(=目標)なんて存在しないのです

経営者やリーダーは、社員に「夢を持て!」と指導をし、
社員も、脅迫観念のように「夢を持たなければいけない」と
自分自身を追い込み、かえって心を疲弊させ逆効果に
なっているケースをよく目にします。

先行きが不安な今こそ、確かに「夢(=人生の目標)」が必要です。
しかし、その前提となる「長所認識」が不可欠なのです。

そのためにお互いに長所を発見し、認め合う文化・環境を
つくっていくことからはじめてください。

もう一度問いかけます。
(自分自身と部下の)長所は3つ挙げてください。


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2009/07/28


インターナルマーケティングの発想

優秀な人材(=実際に成果を上げている人)のコンピテンシーを考えてみると、
「論理的思考力?」「業務知識?」「コミュニケーション力?」
さまざまな要因が挙げられますが、全ての業種・職種に共通して
「会社が好きか? 仕事が好きか?」の2点に
集約されるのではないでしょうか。

「いかに優秀な社員を育成するか?」とは、いかに社員に
「会社が好き」「仕事が好き」を提供するかに他ならないではないでしょうか。

一般的に、会社からお客様への働きかけ(商品・価格・販促)を
「マーケティング」と呼び、会社から社員への働きかけを
「マネジメント(=管理)」と呼ぶことが多いようです。

社員を「マネジメント(=管理)」の対象とした瞬間に、
「使用者」と「従業員」という主従関係が生まれます。

そこで、無意識のうちに、「自分の思い通りに動くのが当たり前」
「いかに当たり前に動かすべきか」という気持ちが生まれてしまうのです。

ここでお伝えしたいことは「インターナルマーケティング」の発想です。
それは「会社の全ての活動はマーケティング(=売るための仕組みつくり)である。」
という考え方です。

お客様に対して、自社のサービス・商品の魅力や優位性を訴求する努力
(=エクスターナルマーケティング)は業績向上のうえで重要ですが、
それと同様(それ以上)に、社員に対して、
素晴らしいサービス・商品を提供するモチベーションと
スキル持たせること(=インターナルマーケティング)が
重要であるという発想です。
その大前提は「主従関係」ではなく「パートナーシップ」にあります。

もちろん「マネジメント」という概念を全て否定するものではありませんが、
社員(部下)と関わる時に、「インターナルマーケティング」という言葉を
頭の片隅においていただければ幸です。


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2009/06/02


「新しい試み」していますか?

この2ヶ月でどんな「新しい試み」をしただろうか
「新しい試み」と言っても、そう大袈裟なことではない。

仕事や勉強に限らず、
いつも同じ色・柄・テイストの服を着る。
いつも同じジャンルの本を読む。音楽を聴く。
遊ぶ。友人と酒を飲む・・・
気が付くと「同じような行動」を繰り返している。

もちろん、生活に「こだわり」を持つことを
全て否定している訳ではないが、
「喰わず嫌い」または「知らない」ために、
もっと「楽しいこと」や「自分を成長させることに」に
遭遇するチャンスを逸していることも多いのではないだろうか。

もちろん「こだわり」を持って「やり続けること」は
とても大切なことであると思う。
しかし、気が付くと行動がパターン化している。
そして新しいこと取組むのが苦痛で憂鬱になってくる。
これは一つの老化現象かもしれない。

飛躍した話だが、「ホームレスは実に規則正しい生活をしている」
ことがもっとも象徴的な事例ではないだろうか。

私は、よく研修の中で「保守7割:革新3割」を説いている。
大切に守るべきことは守りながら、新しいものを
取り入れていこうという考えである。
本音を言えば「保守9割:革新1割」でもかまわないと思う。
とにかく、意識的に自分のなかに新しい風を
吹き込ませることが必要なのではないだろうか。

今まで着ないようなテイストの服を着てみる
朝1時間早く起きてみる
いつもと違う通勤ルートで出社~帰宅してみる
普段聞かないジャンルの音楽を聴く

いつもと違う、何かをしてみてはいかがだろか?
それが、もっと充実した楽しい生活のための「第一歩」かも・・・・


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2009/04/07


「一般教養」を高めよう

前回は、「人間力=先を考える力×体力+教養」であるとして
「先を考える力」についてふれましたが、
今回は「教養」をテーマに書いてみたいと思います。

それは、十坪足らずの小さな店舗で、高級化粧品を中心に
全国でも屈指の売上を維持している化粧品店の経営者から
教えていただいた話です

そのお店では、スタッフの育成のために
「全員が百点満点を取れるテスト」を定期的に実施しています。
テストは「試す」ことが目的になりがちですが、
ここでの「テスト」の目的は百点満点を取らせることにあります。
満点を取ることにより自信がつき、「また勉強しよう!」という
意欲が湧いてきます。勉強意欲があるから勉強し、
また「満点」が取れるという善循環をもたらすことが目的です。

満点を取らせるためには、事前に出題範囲を明確にして
しっかり勉強する時間を取らせています。
当然「引っ掛け問題」はありません。

しかし、私が注目したのは、その「勉強クセを付ける」仕組みではなく
テストの問題そのものにありました。
毎回いろいろな「一般教養問題」が出されるそうですが、
今回の問題は「地理:アフリカの国名当て」でした。
化粧品販売スタッフが「美容理論」「メイク理論」ではなく
「なぜ、アフリカの国名なの??」と一瞬不思議に思ったのですが、
経営者からお話聞かせていただき、なるほどと納得しました。

高級化粧品が主流ですから、お客様もある程度裕福な方に限定されます。
当然教養レベルの高い方が多くなります。
そんな教養レベルの高いお客様に会話を楽しんでもらうためには、
いくら高い接客マナー技術を身に付けても、
いくら専門性の高い美容知識を身に付けても、
それだけでは満足していただけないのです。

例えばお客様が「この前エジプトに旅行に行ってきたの」と話をした時、
もし応対するスタッフが「エジプトが何処にあるのか?」さえ知らなければ、
ただ相づちを打つだけで会話は膨らみません。

しかし、販売スタッフがエジプトのことを知っていたら、
スタッフも心から会話を楽しむことができるので、
お客様にも会話をより楽しんでもらうことができるのです。

つまり、教養レベルによって本当に喜ばせることが
できる相手が規定されてしまうのです。
スピードが優先され、「すぐに役立つ知識」「すぐに役立つHOW TO」の
習得ばかかりに目が奪われがちですが、すぐには役立たない「一般教養」を
高めることも忘れてはいけないとつくづく感じるこの頃です。


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2009/2/10


先を考える力

日々の教育研修の仕事を通じて、つくづく
「人間力=先を考える力×体力+教養」だと感じています。

ということで、私の第1回目の寄稿は「先を考える力」について
お話したいと思います。

ある生物学者によると、人間と他の動物の大きな違いの一つが
「先を考える力」にあるそうです。(知能が高いといわれているチンパンジーでも
2時間先のことまでが限界であるようです)

人間は究極の「先」として「死」を考え、そして恐れました。
その恐れから逃れるため「宗教」が生まれたのです。
そして宗教によって文明が生まれ、広がっていたのです。

言うならば、「先を考える」ことから全ての人間らしい生活が始まったのです。

有名な「アリとキリギリス」の話では、キリギリスさん将来訪れる「冬」に備えて
準備をしなかった愚かな者、アリさんを日々努力する者の喩えとして、
「努力の大切さ」を教えられました。

しかし、根本的な問題は、「冬(=未来)対して準備」すること以前に、
「冬(=澪来)を考える」ことにあったのかも知れません。

そう考えると、極論かもしれませんが「先を考える力」こそが、
優劣を決める基準、優劣そのものではないでしょうか。

本来の日本人は狭い領土での定住を前提とした農耕民族です。
それゆえに「先を考える力」が養われてきた民族なのだと思います。
(実際に一人当たりの個人貯蓄は突出しています)

ですから、バランスよき経済発展を遂げることができた優秀な民族なのです。

しかし、最近のニュース「派遣切り」「株価経営」「投機詐欺」・・・等々を見ていると、
グローバリズムの名の下で、「短期的な利益追求」、に走り過ぎ、
その良さを失いつつ「目の前のこと」しか考えらなくなってきているような
気がしてなりません。

もちろん時代に逆らって孤高に生きていくことは不可能だと思いますが、
一人ひとりがもう少し冷静に長期的な視点で「先」のことを
考えていくことが大切なのではないでしょうか。

「先を考える」ことにより「文明」生まれ発展してきたのに、
「文明」が栄えたことにより「先を考える」ことができなくなっている。
なんとも皮肉なことです。


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